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2008.02.11 福岡県:球児の命守りたい AED使用法保護者が学ぶ 宮若の少年野球チーム
球児たちの命を守ろうと宮若市の少年野球チーム「宮田ホワイトファイターズ」(原田正彦監督、29人)の保護者たちが10日、自動対外式除細動器(AED)の使用法を学んだ。
 AEDは心臓が停止した人に電気ショックを与える機器で、心臓機能を回復させる効果がある。野球では、球が選手の胸を直撃して心肺停止になり、AEDの使用で命が救われたことがあるという。
 講師は、選手の保護者でもある直方鞍手広域消防本部職員の水野智徳さん(41)。事故が起きた場合、まず意識、呼吸の有無、心臓が動いているかなどの確認をしながら119番通報する保護者同士の連携を確認。この後、AEDの使用手順を解説した。
 水野さんは「AEDを使用する前後の心臓マッサージ、人工呼吸を学ぶことが大事」と呼び掛けた。2月からAEDの借用を始めた原田監督は「AEDは試合にも持っていきたい」と話した。

2008/01/21 益田翔陽高野球部員AEDの使い方を学ぶ
 県立益田翔陽高校野球部は20日、益田市高津3丁目の同校で、自動体外式除細動器(AED)の扱い方や応急手当てを学ぶ講習会を開いた。
 試合中や練習中の不測の事故に備えようと、部員や保護者ら約30人が参加した。応急処置が必要な人を発見したとの想定で、救急車を呼びに行ったり、AEDを用意したりする役割を分担。人形を相手に人工呼吸や心臓マッサージ、AEDの操作方法などを学んだ。
 同校野球部の屋敷硬司部長は「AEDを使う機会がないことが一番だが、万が一の時には、慌てずに対処できるようにしたい」と話していた。

2008/01/09 長野県:下伊那農業高校での心臓震とう提訴へ
 2005年に下伊那農業高校(飯田市)1年の野球部員男子=当時(15)=が練習試合で胸に打球を受け、「心臓振とう」を起こして今も後遺症があるのは引率教員の救命処置が遅れたためとして、男子とその両親が8日までに、県を相手に慰謝料など総額約1650万円の損害賠償を求める訴えを地裁飯田支部に起こした。
 訴状によると、05年6月に名古屋市内の高校で行った練習試合で、守備についた男子は打球を胸部中央やや右寄りに受け、倒れた。脈を打っていなかったため下伊那農高の生徒が心臓マッサージをし、その後に到着した救急隊員が除細動を実施、心拍が戻った。この心臓振とうの後遺症で現在、介助がなければ日常生活を送ることができない体の状態としている。
 原告側は、野球では球が当たることやそれによる心臓振とうは予測できたのに、引率教員は自動体外式除細動器(AED)を持ち運ばず、救命処置が遅れたと主張。代理人は「胸に打球を受けて倒れた場合、心臓振とうとみて、引率者が人工呼吸や心臓マッサージなどをすべきだったのにこれをせず、安全配慮義務を怠った」としている。
 被告側は「対応を検討している」(県教委高校教育課)としている。下伊那農高の上沼衛校長は「訴状を見ていないのでコメントできない」と話している。

2008/12/16 中学生硬式野球「ドリームス」 AED導入
駒ケ根市を中心とした中学生硬式野球、駒ケ根リトルシニア「ドリームス」(川島正幸監督)は今月、AED(自動体外式除細動器)1台を導入した。15日は、選手30人(中学1、2年)とスタッフ、保護者15人が、駒ケ根市飯坂の伊南行政組合消防本部北消防署で普通救命講習会を受けた。少年野球チームがAEDを常備するのは県内でも珍しいという。
 少年スポーツでボールが胸部に当たって不整脈を起こし、心停止にいたる「心臓しんとう」への対策としてAEDを導入した。全国でも心臓しんとうを発症した少年がAEDにより一命を取り留めたケースが報告されている。
 ドリームスはレンタル(月5000円)でAEDを常備し、川島監督が練習、試合などで持参。選手や保護者が、有事の際に迅速、正確にAEDを使えるようにと初めて普通救命講習会を受講。今後も年1回、受けていく。
 北消防署員から心肺蘇生法やAEDの使い方を学んだ同チームキャプテンの坂本玲央君は「AEDの操作は簡単だけど、現場で慌てないようにしっかりと身に付けたい」と話していた。

2007/12/14 岩村選手:球場にAED設置を!!
宇和島市出身の米大リーガー、岩村明憲内野手(28)が13日、愛媛県内の福祉事業に役立ててもらおうと約351万円を県に寄贈した。
 寄付金は岩村内野手がヤクルト時代、シーズンの成績を基に創設した「岩村基金」の161万5000円と、愛媛銀行から贈られた150万円、チャリティーゴルフの収益金39万7500円を合わせた351万2500円。
 この日、県庁を訪れた岩村内野手は加戸守行知事に目録を手渡した。
 感謝状を贈られた岩村内野手は「米国にいる時、日本の球場でボールが当たって子どもが亡くなったことを知った。球場にAED(自動体外式除細動器)が備わっていればいいと思った」と活用法を提案した。

2007/12/05 諫早市:ソフトボール中の心臓震盪からの教訓
諫早市森山町で9月、ソフトボール大会で男子児童が心肺停止になった事故を受け、同市は市内の公民館や体育館など計15カ所にAED(自動体外式除細動器)を設置し、無料貸し出しを始める。事故発生時の救急救命に役立ちそうだ。
 市健康福祉センターによると、市内で開催されるスポーツイベントなどに貸し出す。約400万円かけ、新規に15台購入し、早ければ来年2月中にも設置する見込みだ。県央消防本部(諫早市)も「今までは助からなかった命も、これからは飛躍的に助かる可能性がある」と喜んでいる。

2007/10/11 心臓しんとう:防具対策をお願いします
■軽い衝撃、軽視せず/防具装着を
胸部に衝撃を受けることで不整脈を起こし、心停止に至る「心臓しんとう」。発育途上で、まだ胸の骨格が軟らかい子供が、野球のボールを胸に受けて発症する例が多く、手当てが遅れれば死に至る危険がある。今年も9月末までに全国で3件発生し、2人が命を落とした。不慮の事故を防ぐための対策と処置法をまとめた。(海老沢類)
 長崎県諫早市で9月、ソフトボール大会の試合中に、小学校6年の男児が左胸に死球を受けて一塁に走る途中で、突然グラウンドに倒れた。意識はなく心肺停止の状態。周囲の大人の的確な処置で男児は一命を取り留めたが、症状は「心臓しんとう」の典型だった。
 心臓しんとうは、胸部への衝撃がきっかけで起こる不整脈だ。心臓の筋肉がけいれんして血液を正常に送り出せなくなるため、処置が遅れると死に至る危険がある。
 心臓しんとうで子供を亡くした遺族や医療関係者らでつくる「心臓震盪(しんとう)から子供を救う会」(埼玉県)が確認したところ、平成9年から今年9月末までに心臓しんとうが原因とみられる救急搬送例は22件あり、13人が命を落としていた。胸の骨格が軟らかいために外部からの衝撃が心臓に伝わりやすい子供に起きやすく、発症件数の9割以上が18歳未満だ。衝撃を与えたものは、野球のボール(硬式・軟式)が最多の10件。ソフトボール(3件)、サッカーボール(2件、いずれもゴールキーパー)…で、競技中のケースが大半を占めた。
 同会の代表幹事を務める埼玉医科大総合医療センターの輿水健治准教授は「胸骨や肋骨(ろっこつ)が折れるような強さではなく、比較的軽い衝撃でも起こる。けんかの仲裁で肘(ひじ)が当たって発症した例もあり、日常生活でも注意が必要」と指摘する。                
 心臓しんとうは、アメリカでは1990年代から「子供のスポーツ中の突然死」として注目されていたという。健康な子供にも起こるため、検査で兆候をつかむことはできない。ただ、起こりやすい状況はわかっていることから、用具の工夫やちょっとした注意で予防は可能という。
 輿水准教授が強調するのが、各メーカーから発売が相次いでいる「胸部保護パッド」の着用だ。「ユニホームの下に着用するだけで、最も危険とされる心臓の真上を保護できる。慣れれば重さも気にならないので、野球でヘルメットをかぶるのと同じ感覚で着用してほしい」
 また、親やスポーツ指導者らの意識も変える必要がある。輿水准教授は「子供を指導するときには『頭を殴るな』というのが暗黙の了解だが、『胸を突くな』という教えも徹底してほしい。少年野球やソフトボールでは『胸でボールを受け止めろ』という旧来の指導は危険だ」と訴える。子供の命を守るため、輿水准教授の提唱する予防策を見て実行に移してほしい。              
 万一、心臓しんとうが起きてしまった場合は、119番通報するとともに、AED(自動体外式除細動器)で心臓の除細動を行う。AEDがなければ救急車の到着まで心臓マッサージを続ける。「除細動が1分遅れるごとに救命率は7〜10%落ちるとされるが、3分以内に実施すれば4人に3人は助かるという報告がある」と輿水准教授。周囲の人に大声で助けを求めてAEDを探してもらうなど、素早い対応が救命のカギになる。
 輿水准教授は「まさに現場でしか救えない。万一に備えて救命講習を受けておくのはもちろん、グラウンドにAEDを設置するなどして、子供たちが安全に運動できる環境を整備してほしい」と呼びかけている。

2007/09/29 ソフトボール中に心臓しんとう
◇紙一重だった少年の蘇生
 諫早市森山町で今月17日、ソフトボール大会の試合中に、小学6年の少年(11)が胸に球を受け、心肺停止状態になった。原因は「心臓しんとう」。手当てが遅れれば、死に至ることもある。少年は近くに居合わせた救急救命士らの蘇生措置などで助かったが、少年の母親は「スポーツ関係者はAED(自動体外式除細動器)を常備するなどの対策を早急に取ってほしい」と訴える。(小川裕介)
◇母親「早急に対策とって」
 左胸に死球を受け、一塁に向かって10メートルほど走った時だった。少年はひざから崩れ落ち、額を打ち付けるように地面に倒れ込んだ。
 決して速い球ではなかった。「一瞬、息が苦しくなったけど、痛くはなかったし、何ともないと思った。それが突然、視界が真っ白になって……」。少年は振り返る。
 試合を見守っていた保護者たちは、少年の倒れ方を見て息をのんだ。「おかしい」。今月1日、大阪府のPL学園高校で、野球部の練習に参加していた中学生が胸に球を受けて死亡した事故の記憶が、保護者たちには残っていた。
 2人の保護者が少年をベンチに運び、隣のコートで娘の試合を観戦していた小浜消防署愛野分署の男性救急救命士(35)を呼びに走った。
 駆け付けた救命士は少年の手首を取った。脈も、呼吸も止まっている。119番通報をするよう保護者に頼み、すぐに人工呼吸を始めた。看護師資格を持つ保護者2人も加わり、交代で心臓マッサージを続けた。
 チームメートが周囲から少年の名前を呼び続けた。「頑張れ」「生きろ」。偶然、通りかかった中学2年の兄も加わった。グラウンド近くで仕事をしていた母親(38)も電話で連絡を受けて駆け付けた。
 119番から9分後、救急車が到着。救急隊員は救急車に載せてあったAEDで少年の心臓に刺激を与えた。鼓動が戻った。
 意識を取り戻した少年はグラウンドに到着した長崎医療センターのドクターヘリで搬送された。
 病院で少年は「心臓しんとうによる心肺停止」と診断された。胸にはあざ一つなく、倒れた時に額についた小さな傷が残っただけだった。「まさに奇跡。はじめの処置が素晴らしかったのだろう」と、診察した医師は話す。
◇佐世保83台 長崎16台 諫早3台… AED配備に地域格差  
 一方で課題も明らかになった。ソフトボール大会が開かれていたグラウンドにAEDは置かれていなかった。
 心臓しんとうで子どもを亡くした遺族や医療、スポーツ関係者らがつくる「心臓しんとうから子供を救う会」(埼玉県)によると、心臓しんとうに対してはAEDによる治療が効果的だが、治療は1分遅れるごとに成功率が約10%ずつ下がる。
 県によると、県内のAEDの配備台数は9月現在で421。各市が所管施設に配備している台数をみると、佐世保が83、西海が34に上る一方、長崎は16、諫早は3、南島原は1にとどまるなど、地域格差も目立つ。
 国内の心臓しんとうの発症例は救う会が把握しているだけでも97年以降に22件。うち硬式野球が8件、ソフトボールが3件、軟式野球、サッカーが各2件。米国では若者の突然死のうち約2割が心臓しんとうが原因という報告もあるという。
 救う会の代表幹事で埼玉医大総合医療センター救急科医師の輿水健治さん(51)はこう指摘した。「スポーツ中の事故には、必ず相手がいる。後遺症が残ったり、亡くなったりすれば、相手の子も一生、事故を背負っていかねばならない。関係者はAEDや胸パッドの導入をもっと検討すべきではないか」

2007/09/18 長崎県:死球の男児助かる 
17日午前11時半ごろ、長崎県諫早市森山町の森山グラウンドであった少年ソフトボール大会高学年の部で、打席に立った市内の小学6年の男子児童(11)が胸に死球を受け、一塁に向かおうと約10メートル走ったところで突然倒れた。心肺停止状態になったが、隣のグラウンドに偶然いた小浜消防署(同県雲仙市)の男性救急救命士(35)と女性看護師2人が応急の心肺蘇生術を施し、回復に向かっている。
 救急救命士は低学年の部の試合に出場していた児童の保護者。隣のグラウンドで男児が倒れているのを知って駆けつけ、人工呼吸と心臓マッサージをした。近くには別の児童の保護者である看護師2人もおり、3人が交代で9分間マッサージをした。
 救急車が到着し、AED(自動体外式除細動器)を使い、心肺は蘇生した。男児はドクターヘリで同県大村市の長崎医療センターに搬送された。
 県央消防本部(諫早市)によると、心臓マッサージなどがなければ、蘇生は難しく「適切な蘇生措置ができたので、AEDで心肺が回復できた好例」としている。
 この救急救命士は「1人でのマッサージは2分が限度で、看護師さんの応援がありがたかった。何より男児の命を救えたのがうれしい」と話している。

2007/09/13 高野連:都道府県連に安全対策求める
1日に大阪・PL学園高で、練習に参加した同校中学部3年生が送球を胸に受けて死亡した事故を受け、日本高校野球連盟は12日、中学生の練習参加に対する安全対策を徹底するよう、各都道府県高野連に文書で通知した。自動体外式除細動器(AED)を使った緊急処置講習会を受講したり、胸部を保護するパットの着用などを求めている。

2007/09/04 胸部保護パッド:和歌山南RC、200個贈る 軟式野球連盟学童部西支部に /和歌山
◇安心してゲームを
 野球の最中、胸部にボールが当たるなどして心臓震とうが発生するのを防ごうと、和歌山南ロータリークラブ(田中章慈会長、会員90人)が2日、和歌山市軟式野球連盟学童部西支部に胸部保護パッド200個を贈った。これだけまとまった数のパッド寄贈は県内で初めてという。
 この日、和歌山市の雑賀球場で開幕した第29回和歌山南ロータリー旗争奪西支部野球大会(同支部主催)の開会式で、田中会長が西井正敏支部長に目録を手渡した。支部所属の10クラブに20個ずつ配布された。
 田中会長は、大阪府のPL学園高校野球グラウンドで1日、練習中の同学園中学3年生の胸にボールが当たって死亡した事例を挙げ、「安全が一番大切」と訴えた。
 続いて、ミズノ大阪営業部の宮崎真輔さん(32)が使い方を説明。子どもたちは早速、ユニホームの下に装着して試合に臨んだ。吹上少年野球クラブの八木大貴主将(12)は「軽いので、段々慣れてくると思う。これで安心して野球ができます」と喜んでいた。【藤顕一郎】
【途中省略】
◇心臓震とう発生を低減し事故防止へ−−胸部保護パッド
 胸部保護パッドは、ボールなどが胸部に当たって心臓震とうを起こすのを低減するための用具。心臓震とうは、ちょっとした衝撃で心臓が停止してしまう状態で、多くは運動中に発生。特に発育過程で衝撃が心臓に伝わりやすい18歳以下の子どもに起こりやすい。
 宮城県大河原町では02年4月、公園で遊んでいた男児(当時10歳)の胸を、小学生の投げた軟式ボールが直撃、男児は約4時間後に死亡した。両親が小学生の親を相手に損害賠償を求めた訴訟は「心臓震とう訴訟」とも呼ばれた。05年に和解が成立している。
 心臓震とうになった場合、早期に自動体外式除細動器(AED)で電気ショックを与え、正常な心拍に戻す必要がある。今年4月には高校野球の春季大阪大会で、投手が胸に打球を受け、心肺停止状態となったが、観戦していた救急救命士が備え付けのAEDを使って一命を取り留めている。
 胸部保護パッドは、財団法人製品安全協会(東京)が今年2月、衝撃吸収力などの認定基準を設けたのを受けて各メーカーが販売。今回贈られたのはミズノ製で、身長に応じて3種類あり、重さは110〜170グラム。心臓周辺を覆うパッドは低反発ウレタン素材など4層構造で、面ファスナーで装着する。値段は4515〜4935円。同社によると、5月10日の発売以来、既に約1万2000個売れたという。

2007/09/02 PL学園:中3野球部員死亡胸にボールが
1日午後2時半ごろ、大阪府富田林市新堂のPL学園高校野球グラウンドで、高校生に交じって硬式野球の練習をしていたPL学園中学3年の軟式野球部員、熊谷雄飛(ゆうひ)君(15)が硬球を捕ろうとして、胸付近に球が当たった。同市内の病院に搬送されたが、約7時間後に死亡した。熊谷君はこの日、硬式野球部の練習に初めて参加していた。
 富田林署の調べでは、熊谷君は送球練習で二塁付近にいて、三塁付近から高校1年の部員が投げた硬球を捕ろうとした際、受け損なった球が胸付近を直撃した。転がった球を拾って一塁に送球した後、前のめりに倒れたという。
 現場近くに居合わせたトレーナーが心臓マッサージを施す一方、練習を指導していた同高校硬式野球部の藤原弘介監督が携帯電話で119番し、市内の病院に搬送された。この日の練習には、高校生46人と中学生3人が参加していたという。
 グラウンドには、心臓に電気ショックを与えて救命措置を施すAED(自動体外式除細動器)はなく、約1キロ離れた体育館に副部長が車で取りに行ったが、戻った時には救急車が到着していたという。4月には大阪府岸和田市の飛翔館高校グラウンドで、試合中に打球が投手を直撃したが、AEDによる処置などで一命を取り留めた。
 日本高校野球連盟によると、中高一貫校の生徒の場合、高校3年生が引退した後の新チームの練習に、中学時代の最後の公式戦を終えた3年生が参加しても差し支えないという。
 PL学園高校の高木文三・野球部長によると、熊谷君はPL野球部でのプレーを希望して、4月に岩手県陸前高田市から転校。寮生活を送っていた。「ご両親の気持ちを考えると、大変申し訳なく思う。何が問題だったか、校長も含めて学内で協議したい」と話した。(朝日新聞)

2007/06/18 愛媛県:子どものスポーツ指導者らによる救命講習会
 四国中央市土居町入野の沖縄本部流空手道誠真館道場で17日、救命救急の講習があり、子どものスポーツ指導者や地元小学校職員ら14人が参加した。
 同道場の支部長で四国中央消防署救急救命士の山ノ内秀機さん(38)が、胸への衝撃で心臓が停止する心臓震盪(しんとう)の対処法を多くの人に学んでほしいと企画。先月末、同道場に、電気ショックを与えて蘇生する医療器具「AED」(自動体外式除細動器)を設置したことを受け、その使用方法や心肺蘇生法などを4時間にわたり指導した。受講者には後日、消防署から「普通救命講習2」の修了証が発行される。山ノ内さんは「スポーツ団体の指導者は、もしもの時に備えて救命の正しい知識と技術を身につけてほしい」と訴え、今後も同道場を講習会場として提供し、救命法の普及に務めたいと話している。

2007/06/03 心臓しんとう:胸部への衝撃で心停止 事故防ぐ専用保護パッド発売
 胸に衝撃を受けて心臓が停止する「心臓しんとう」への関心が高まっている。輿水(こしみず)健治・埼玉医科大准教授(救急医療)によると、97年以降に国内で20件あり、12人が死亡している。大半を高校生以下が占め、胸骨や肋骨(ろっこつ)がまだ軟らかく、衝撃が心臓に伝わりやすいためと考えられている。野球などスポーツ中の事故が多いが、手のひらで胸を突かれただけで死亡した例もある。スポーツメーカーが先月、初の専用の胸部保護パッドを発売するなど対策も始まっている。【丹野恒一】
 ■魔のタイミング
 心臓しんとうは米国で90年代から注目されていたが、日本で関心が集まり出したのはこの数年。それまでは「原因不明の突然死」「急性心機能不全」として扱われていたと見られる。
 「心臓震盪(しんとう)から子供を救う会」代表幹事を務める輿水准教授によると、04年8月には硬式野球ボールを胸に受けた中高生が死亡する事故が3件続いた。最近でも、今年3月にサッカーの試合中に胸でボールを受けた愛媛県西条市の中学3年の男子が死亡した。
 20件の内訳は5歳児1人、小学生4人、中学生4人、高校生8人、それ以外が3人。原因は野球・ソフトボール関連が12件と最多=別表参照。
 心臓しんとうの仕組みは完全に解明されていないが、衝撃を受けた心臓が不規則に震えて血液を送り出せなくなる「心室細動」となり、やがて心停止に至る。
 米国でのブタを使った実験で、心臓の収縮期の終わりに近い約1000分の15秒間に、心臓の直上にボールが当たると9割のブタが心臓しんとうを起こした。
 ■違和感あっても
 事故の多発で製品安全協会は今年2月、SG(セーフティーグッズ)マーク安全基準を策定。これを受けてミズノは5月、衝撃吸収力が高い低反発ウレタン素材を使った野球・ソフトボール用の胸部保護パッド(3サイズ、4515〜4935円)を発売した。スポーツサポーターの製造・販売会社、デイエム商会も点で受けた衝撃を面に分散させる構造のパッドを7月上旬に発売する予定だ。
 両社とも基準をクリアするため、かなり厚みがある。少年野球チーム「昭島ビクトリー」(東京都昭島市)の宗像亮監督は「万が一のことが起きたら子どもにも親にも申し訳が立たない」と話し、チームはデイエム商会の開発モニターも務めた。宗像監督は「ノックする側も受ける側も思い切ってできるのが利点。今は違和感があっても、後になれば、そんなことさえ忘れるかも」と話す。
 日本高校野球連盟(高野連)は胸部保護パッドの推奨を各都道府県高野連に伝え、「将来的には義務付けの可能性もある」(事務局)とする。デイエム商会開発室の佐久間貞雄係長は「指導者もスポーツ店員も大多数が心臓しんとうを知らない。地道に普及させていきたい」と話す。
 ■もしもの時は?
 では、不幸にも心臓しんとうが起きたら。
 設置が広がっているAED(自動体外式除細動器)があれば救命に力を発揮するので、取りに走る。待つ間に人工呼吸と心臓マッサージを施し、119番通報する。AEDが届いたら電源を入れて音声ガイドに従う。AEDには二つの電極パッドを胸に張る場所が図示され、電気ショックが必要かどうかも自動的に心電図を解析して判断してくれる。回復の可能性は1分間で7〜10%ずつ低下するため、ちゅうちょしてはいけない。
 事故防止について、輿水准教授は「小さな子の近くではキャッチボールやバットを振らないルールを徹底し、頭や急所だけでなく胸を突いたり殴ってはいけないと子どもに教え込むべきだ」と訴える。また、胸部保護パッドの装着を勧めるとともに「取れないボールは胸で止めろ、という指導法は危険だ」と指摘する。
==============
 ◇心臓しんとうの原因別症例数
硬式野球ボール     7件(5人)
軟式野球ボール     2件(2人)
サッカーボール     2件(1人)
ソフトボール      2件
金属バット       1件(1人)
バスケットボール    1件(1人)
柔道          1件(1人)
手のひら(兄弟げんか) 1件(1人)
拳(少林寺拳法)    1件
ひじ(けんかの仲裁)  1件
転倒による背部打撲   1件
 ※カッコ内は死亡数、輿水健治・埼玉医科大准教授調

2007/05/09 中3サッカー少年死亡
 愛媛県西条市の市立西条北中学校が3月に開いたクラス対抗サッカー大会で、胸でボールを受けた当時3年生の男子生徒(15)が心肺停止状態となり、9日後に死亡していたことが、9日分かった。
 同校には、心臓にショックを与えて救命を図る自動体外式除細動器(AED)は配備されていなかった。
 同校によると、サッカー大会は3月12日に同校グラウンドで開催。生徒は正午ごろ、試合中にボールを胸で受けた約十秒後に倒れ、病院に運ばれた。21日に心不全で死亡した。
 菊池篤志校長によると、生徒に心臓病の既往症はなく、家族は病院から「ボールが当たったため死亡したとは言い切れない」との説明を受けたという。
 菊池校長は「非常に残念だが、学校としては考えられる手だてはすべて取った」と話している。
 大阪府岸和田市の高校では4月、野球の試合中に打球を胸に受けた2年生の投手が心肺停止状態になったが、観戦していた救急救命士がAEDで蘇生(そせい)させ、助かった。

2007/05/03 北信越BCリーグ球場にAED−野球少年の死繰り返さない
 新潟でのプロ野球チーム誕生を待ち望みながら昨年7月、練習中に急死した糸魚川市の水島樹人(みきと)君(当時9歳)の悲劇を繰り返すまいと、プロ野球独立リーグ「北信越BCリーグ」は、自動体外式除細動器(AED)を開催球場に設置する。
 樹人君はプロ選手を夢みて、糸魚川市の野球チーム「大和川まりんファイターズ」で活躍していたが、昨年7月9日、市内の美山球場での試合前、ランニング中に突然倒れた。救急隊員が偶然居合わせ、蘇生(そせい)を試みたが、急性心不全で亡くなった。
 葬式の日、母親の正江さん(42)は、北信越リーグ発足の動きを紹介する新聞記事を読み、「息子の願いが通じた」と涙が止まらなかった。
 リーグ側も樹人君のことを知り、試合会場となる新潟、富山、石川、長野の4県計35球場にAEDを設置する「ミキト AED プロジェクト」を企画した。「息子が倒れた時、AEDがあれば助かったかもしれない」という正江さんの思いが込められている。
 リーグは、樹人君がチームで付ける予定だった背番号「10」を刻んだリストバンド(500円)を試合会場で販売。その収益で1台30万円程度のAEDを購入し、未設置の球場に設置する。新潟アルビレックスBCは背番号「10」を永久欠番とし、7月7日に一周忌に合わせて美山球場で追悼試合を行う。
 正江さんは4月28日、三条市民球場に樹人君の写真と愛用のグラブを持参し、開幕試合を観戦した。「樹人もこの試合を見ているだろうと思い、涙が出た。子供たちが野球などをする場所にAEDが備わり、助かる命が一つでもあれば」と願う。
 リーグ代表の村山哲二さん(42)は「リーグの設立で困難に直面した時、樹人君のおかげで励まされた。樹人君のためにもAEDを普及させたい」と話す。

2007/05/01 高校球児:AEDで救命!!
30日午前10時20分ごろ、大阪府岸和田市内畑町の飛翔館(ひしょうかん)高校グラウンドで、春季近畿地区高校野球大会府予選3回戦桜宮―飛翔館の試合中、飛翔館の2年生、上野貴寛投手(17)の左胸に打者の打球が直撃した。上野投手はマウンドに倒れ、動かなくなったが、同校にあったAED(自動体外式除細動器)による救命処置などで脈拍と呼吸が戻ったという。1週間の入院で回復する見込み。
 関係者によると、上野投手は倒れた時、脈が一時的に止まり、呼吸もはっきりしていなかったという。奥野恵立(よしたつ)監督(49)が心臓マッサージをし、試合観戦に来ていた岸和田消防署の救急救命士岡利次さん(39)がAEDを体に取り付けた。AEDは2年前に同校に設置され、1階事務室前に置いてあり、関係者が運んできたという。
 上野投手は救命処置後に脈拍が戻り、救急車で岸和田市内の病院に運ばれて自発呼吸が戻った。担当医は「心臓マッサージ、AEDいずれかの処置が欠けていたら命は危なかった」と話したという。

2007/04/03 野球ボールの衝撃軽減
 ミズノは、ボールなどが胸に当たり、心停止を引き起こす「心臓しんとう」の危険を軽減する野球用具「胸部保護パッド」を5月10日発売する。
 心臓しんとうは、胸にタイミング悪く衝撃が加わることで不整脈が生じる病気で、骨格が未発達な高校生以下に起こりやすいとされる。家庭用製品の安全基準の認定機関「製品安全協会」が把握している死亡例18人のうち11例は、6〜17歳が野球、ソフトボールに当たった事故が原因だった。
 新商品の開発には、日本少年野球連盟などの野球関連団体が助言。同協会の安全基準を満たす衝撃吸収性を持たせると同時に、プレーを妨げない動きやすい形状に仕上げた。「製品化は業界初」(同社)だが、アシックスなど約4社が開発を進めている他、日本高校野球連盟も普及に前向きで、球児を守る標準装備にしたい考えだ。身長別に3サイズあり、4515〜4935円。

2007/04/02 キャッチボール専用球「メジャー ゆうボール」発売
 近年、キャッチボールは危険ということから、公園等で禁止されるようになり、親子で、また友達同士でキャッチボールをする光景を見かけることが少なくなったと言われています。プロ野球選手会は、そういった状況が野球人気低下につながることを危惧し、当たっても怪我をしない軟らかさのキャッチボール専用球を監修。このボールでのキャッチボールをきっかけに、野球の楽しさを実感してもらいたいとの思いが込められています。

2007/03/09 
 野球の球などが子供の胸にあたり突然死を引き起こす「心臓震とう」を防ごうと、野球用の胸部保護パッドが開発され、発売を前に製品の最終テストが行われている。
 心臓震とうとは、ある限られたタイミングで心臓に衝撃が加わると不整脈を引き起こし、最悪の場合、死に至る症状。埼玉医科大の輿水(こしみず)健治助教授によると、小学生から高校生まで18件の発症例があり、多くが野球やソフトボールによるものという。
 パッドを実際に装着してプレーした少年野球チーム、昭島ビクトリー(東京都昭島市)の簑原健太君(12)は、「思ったより変な感じはなかった。着けていると安心感がある」と話す。国内外の大手スポーツ用品メーカーなどが4月以降に発売の予定で、価格は5000円前後の見込み。

2006/12/05 朝日SPORTSクリック:「心臓震とう」用心

2006/06/03 九州医療ニュースので心臓震盪記事
 子どもがスポーツなどの最中に突然死する―。その原因の一つとして、「心臓震盪(しんとう)」が注目されている。胸部に衝撃が加わったことにより心臓が停止するもので、比較的弱い衝撃で起きるのが特徴。命を救うには「居合わせた人が心肺蘇生法(CPR)を行い、自動体外式除細動器(AED)を使うことが大切」という。子どもたちを突然死から守る動きが広まっている。 (簑原亜佐美)
http://www.nishinippon.co.jp/medical2/2006/05/post_33.php

2005/12/05 心臓震盪の和解裁判(仙台高裁)
キャッチボールの球が胸に当たって長男(当時10歳)が死亡したのは、外部からの衝撃で心拍が停止する「心臓震盪(しんとう)」が原因として、宮城県角田市に住む両親がキャッチボールをしていた子供の親を相手取り、計6200万円の支払いを求めた訴訟の控訴審が5日、仙台高裁(大橋弘裁判長)で和解した。
 被告側が死因が心臓震盪であることを認め、和解金計3000万円を支払う内容。原告代理人によると、心臓震盪を引き起こした責任を問う訴訟で和解が成立したのは初めて。
 1審・仙台地裁は心臓震盪が死因と認定し、被告に約6000万円の支払いを命じた。被告側は「死因が心臓震盪とする証拠はなく、事故の予見も不可能」と争っていたが、高裁の和解勧告を受け入れた。
 訴えによると、長男は02年4月、大河原町内の公園で遊んでいたところ、キャッチボールをしていた小学生2人の軟式ボールが胸を直撃し、約4時間後に死亡した。

2005/10/21 心臓震盪でサッカー少年死亡
10月12日のこと、フィージーのある学校で教師たちが見守る中、サッカーの試合が行われていた。ゴールキーパーをしていた12歳の少年の胸にシュートが直撃。少年は、その場に倒れた。周りの者が駆けつけたが、少年は心停止に陥った。蘇生術の甲斐もなく、病院到着後、死亡が宣告された。少年を診たアミ・チャンドラ医師が Fiji Times紙の取材に答えたところによると、少年には心臓に関するものを含めて既往歴が一切なかった。サッカー・ボールが胸に当たった衝撃が死を招いたと思われる。